近年、個人事業主や小規模な企業が設立しやすい法人形態として注目されている「合同会社(LLC)」。
しかし、資金調達の面では株式会社よりも不利な側面があり、その解決策として「ファクタリング」が有効な手段として注目されています。
この記事では、合同会社におけるファクタリングの利用可否や利点・リスク、売掛先が合同会社だった場合の注意点などを解説しています。
🔷 合同会社とは?
合同会社は2005年の会社法改正で誕生した法人形態で、出資者=経営者である点が特徴です。
近年では合同会社の設立件数も増加しており、2019年には新設法人の約2割が合同会社となっています。
✅ 合同会社の主なメリット
- 設立費用が安い(株式会社の約1/3程度)
- 利益配分が自由(出資比率に縛られない)
- 有限責任でリスクが限定的(出資額以上の責任なし)
❌ 合同会社のデメリット
- 知名度・社会的信用が低い
- 経営者間の対立が起こりやすい(合意形成が難しい)
- 融資・資金調達がしにくい(銀行の審査が厳しい)
これらの理由から、合同会社は銀行融資や株式による資金調達が難しく、キャッシュフローの確保が大きな課題となりがちです。
✅ 合同会社でもファクタリングは利用できる?
結論から言えば、合同会社でもファクタリングの利用は可能です。
法人格があれば、株式会社と同様にファクタリング審査の対象になります。
ファクタリングは、売掛金(債権)を専門業者に売却して早期に現金化する資金調達手段で、借入とは異なり信用情報に記録されず、審査も柔軟です。
🔍 合同会社がファクタリングを利用するメリット
メリット | 解説 |
---|---|
信用情報に影響しない | 借入ではなく資産売却なので、信用情報に記載されない |
取引先に知られずに実行可能(2社間) | 売掛先に通知せず、資金化できるため信頼関係に影響しない |
財務評価の改善につながる | BSに負債を増やさず、スリムな財務体質を維持できる |
⚠️ 売掛先が「合同会社」の場合は要注意!
売掛先が合同会社の場合、ファクタリング会社側が次のような点を懸念するケースがあります:
- 信頼性や財務状況が不明確な場合、買取拒否される可能性がある
- 設立年数が浅いと、与信評価が低くなる傾向にある
👉 解決策としては、「取引履歴が長い」「安定した入金実績がある」など、取引の継続性や売掛先の実績を明示することが重要です。
✅ まとめ|合同会社でもファクタリングは有効な資金調達手段
- 銀行融資に頼りづらい合同会社にとって、ファクタリングは即時性と柔軟性を持つ強力な資金調達ツールです。
- 売掛金があれば法人格に関係なく利用可能で、信用情報に影響しない、取引先に知られずに使えるといった利点も多くあります。
- ただし、売掛先が合同会社の場合には、ファクタリング会社の審査が厳しくなることもあるため、事前の準備が重要です。