ファクタリングを活用して資金調達を行う際、すべての売掛債権が等しく扱われるわけではありません。**「審査で有利になる債権」と、「ファクタリングで利用できない債権」**が存在します。
この記事では、ファクタリング会社が重視するポイントや、リスク評価の仕組み、手数料が下がる債権の条件、逆に審査で落ちやすい債権の特徴を明確に紹介しています。
🔹 ファクタリングで有利な売掛債権とは?
ファクタリングの審査では、**「売掛先の信用力」**が最も重要視されます。以下のような売掛債権は、信頼性が高く手数料も低く抑えられる傾向があります:
① 国や自治体が売掛先の債権
- 例:医療報酬債権、公共工事債権など
- 信用力が高いため回収リスクがほとんどなく、審査も通りやすい
- ただし、2社間ファクタリングの場合は依頼者側のリスク(横領・二重譲渡など)も考慮される
② クレジットカード会社が絡む債権
- 信販会社や金融機関が売掛先となるケース
- 安定した支払いが見込めるため、手数料は低め
- 注意:クレジットカード手数料とファクタリング手数料の二重手数料が発生することもある
③ 安定した入金実績のある債権
- 人材派遣業や清掃業など、毎月一定額の請求と入金がある業種の債権
- 実績があることで、債権の信頼性が高まり、スムーズに審査が通りやすい
❌ ファクタリングに利用できない債権とは?
一方で、以下のような債権は審査で拒否される可能性が高く、ファクタリングには向きません。
① 譲渡禁止特約が付いている債権
- 契約上、第三者への譲渡が禁止されているケース(例:機密性の高い取引)
- 法改正により譲渡可能にはなったが、契約違反のリスクあり
② 売掛先が個人事業主の債権
- 信用調査が困難で、倒産リスクも高いため審査に通りにくい
③ 経営不安が明らかな売掛先との債権
- 黒字倒産の恐れや支払い遅延が常習的な取引先の債権は、基本的に対象外
④ サービス提供前の未完成債権
- 納品やサービス提供が完了していない段階では、売掛金として成立していないと見なされる
⑤ でんさい(電子記録債権)登録済み債権
- 電子的に管理されているため、譲渡・売却には制限がかかる場合あり
⑥ 契約内容と請求書内容に差異がある債権
- 曖昧な契約や条件不一致は審査で不利に働く
⑦ 金額が確定していない債権
- 請求金額が変動する可能性がある場合は、信用性が低く見なされやすい
✅ まとめ:債権の“質”がファクタリング審査のカギ
ファクタリングを成功させるには、「どの債権を持ち込むか」が極めて重要です。信頼性の高い売掛先との債権や、実績のある業種の債権は、審査がスムーズで手数料も抑えられます。
逆に、曖昧な契約や不安定な取引先との債権は、審査落ちや高手数料の原因となります。審査に出す前に、債権の内容をよく見直し、複数社に相見積もりを取って比較するのがベストです。