✅ 売掛債権証券化とは?ファクタリングとの違いや活用メリットを徹底解説

売掛債権を資金に変える手段として広く知られているのがファクタリングですが、**「売掛債権証券化」**というもうひとつの高度な資金調達手法も存在します。本記事では、証券化の仕組み、メリット・デメリット、ファクタリングとの比較をわかりやすく解説しています。


🔹 売掛債権証券化とは?

売掛債権証券化とは、企業が保有する売掛債権を、特定目的会社(SPV)に譲渡し、SPVがそれを裏付けに投資家向けの「証券」を発行することで、資金を調達する仕組みです。

  • SPV(Special Purpose Vehicle):譲渡された売掛債権を元に証券を発行し、資金を市場から調達する法人。
  • 日本では、楽天信託などがSPV業務を行う。

この方法は、ファクタリングのように債権の早期現金化が可能でありながら、より金融商品としての構造が明確で、投資家からの資金導入を目的とした高度なスキームです。


✅ 売掛債権証券化の主なメリット

✔ メリット① 売掛債権の早期現金化

ファクタリング同様、売掛金の支払期日を待たずに現金化でき、急な資金ニーズへの対応が可能です。

✔ メリット② 会計上「負債」に計上されない

証券化された売掛金はオフバランス処理されるため、貸借対照表の負債に計上されず、財務健全性を保てるという大きな利点があります。
→ 自己資本比率やROAの改善、融資審査での信用向上などに貢献。

✔ メリット③ 投資家側のリスクが限定的で企業にとっても安心

万が一売掛先が倒産しても、SPVによる返済義務は元本のみで利息支払い義務はなし。企業にとっては低リスクでの資金調達手段と言えます。


⚠️ 売掛債権証券化のデメリット

❌ 売掛先に通知が必要で、信用問題に発展する可能性

売掛先企業に債権譲渡が通知されるため、「資金繰りに困っているのでは?」という誤解を生むリスクがあります。

❌ 法的手続きが煩雑

証券化に伴い、法務局への登記や契約手続きが必須であり、ファクタリングに比べて導入ハードルが高めです。

❌ 国内での導入事例がまだ少ない

日本国内では、証券化を活用する中小企業はまだ少数であり、導入に対応できる金融機関・SPVも限られているのが現状です。


🔍 ファクタリングと売掛債権証券化の比較表

比較項目ファクタリング売掛債権証券化
資金調達の方法売掛債権をファクタリング会社に売却SPVを通じて証券を発行し投資家から調達
会計処理売掛金→現金、割引料は損金オフバランス処理で負債計上なし
手続きの手軽さ比較的簡単(数日で完了)登記・契約・SPV経由でやや複雑
売掛先への通知2社間なら不要通知が必要なケースが多い
国内導入実績中小企業中心に普及一部の大企業・機関投資家向けが主流
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