売掛債権を活用した資金調達手段として注目されている「ファクタリング」と「売掛債権担保融資（ABL）」は、一見似た仕組みに見えますが、本質的に異なる資金調達方法です。
本記事では、両者の違いを7つの観点で徹底比較し、どちらが自社に適しているのかを判断するポイントを解説しています。
🔹 売掛債権担保融資（ABL）とは？
ABLは、企業が保有する売掛金を担保にして金融機関から融資を受ける方法。
不動産担保がなくても資金調達ができる点が特徴で、通常の融資よりも審査が通りやすい傾向があります。
- 売掛債権は“担保”であり、“売却”はしない
- 借入扱いのため信用情報に影響あり
- 返済義務があり、貸し倒れリスクは自社が負う
🔍 ファクタリングとABLの7つの違い
| 比較項目 | ファクタリング | 売掛債権担保融資（ABL） |
|---|---|---|
| 資金調達の仕組み | 売掛債権を売却して資金化 | 売掛債権を担保にして借り入れる |
| 貸し倒れリスク | 基本的にノンリコース（返済義務なし） | 返済義務あり、貸し倒れ時は損失を負う |
| 売掛先への通知 | 2社間（通知不要）／3社間（通知あり） | 原則通知が必要（金融機関の場合） |
| 手数料／金利 | 2〜20%の手数料（買取額に対して） | 年利1〜5%程度の金利 |
| 入金スピード | 最短即日〜数日 | 審査・手続きに1〜2週間かかる |
| 審査通過のしやすさ | 売掛先の信用があれば赤字企業でも可 | 自社の財務状況も重視される |
| 信用情報への影響 | 登録されない（借入ではない） | 信用情報に記録される |
✅ ファクタリングが向いているケース
- 売掛金を早期に現金化したい
- 赤字決算や税金滞納があっても利用したい
- 信用情報に影響を与えたくない
- 急ぎで資金調達が必要
✅ ABLが向いているケース
- 中長期的に大口の資金調達をしたい
- 売掛先が分散していて与信リスクを分散できている
- 銀行融資が通らなかったが資産を担保にできる
- 売掛債権を多く保有しており、それを一括で評価されたい
🧠 使い分けのポイント
- 短期資金調達・スピード重視 → ファクタリング
- 中長期の安定資金調達・金利重視 → ABL
両者の特徴を理解して、目的や状況に応じて使い分けることが、資金繰りを安定させる鍵となります。
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✅ まとめ：ファクタリングとABLを正しく理解して最適な選択を！
ファクタリングとABLはどちらも売掛債権を活用した資金調達法ですが、「売却」か「担保化」かという大きな違いがあります。
借入リスクや信用情報への影響、審査の厳しさ、スピード感などを比較しながら、自社に合った方法を選択することが重要です。
特に中小企業にとっては、柔軟に使えるファクタリングが有効なシーンも多いため、状況に応じて併用や使い分けも検討すると良いでしょう。
