ファクタリングを利用して売掛金を現金化した後、取引先の倒産や資金難などによって入金されないケースがあります。
本記事では、そうした債権未回収トラブルの代表例と「償還請求権」の有無による違い、対処法、回避策について詳しく解説しています。
🔍 ファクタリング後に起こり得る未回収の2大ケース
① 取引先が倒産
→ 法的整理や夜逃げ等により、売掛債権の回収が不能に。
② キャッシュ不足による支払い遅延
→ 一時的な資金繰り悪化により支払いが滞る場合も。
支払期日を延長すれば回収可能なこともあるが、倒産の予兆である場合も多いため注意が必要。
⚠ 回収不能時に確認すべきは「償還請求権」の有無
▶ 償還請求権(リコース)とは?
ファクタリング契約において、取引先からの入金が得られなかった際に、ファクタリング利用企業が代わりに弁済する義務があるかどうかを定めた条項。
タイプ | 内容 |
---|---|
償還請求権あり | 売掛債権が回収不能になると、ファクタリング会社は利用者に返済請求が可能 |
償還請求権なし(ノンリコース) | 売掛債権が回収できなくても、ファクタリング会社は利用者に請求できない(現在の主流) |
✅ ノンリコース契約が現在の主流な理由
- 償還請求権付き契約は「融資(貸金)」とみなされ、貸金業登録が必要
- ファクタリング会社が登録していない場合、出資法・貸金業法違反となる恐れ
- そのため、現在は「ノンリコース型」が主流であり、利用者に返済義務がない契約が一般的
🚫 不良債権のファクタリングはNG!
- すでに回収が困難だとわかっている債権を持ち込むことは、詐欺的行為と見なされる可能性もある
- また、不良債権の買取を受ける業者は「闇金系ファクタリング」のリスクも高いため、利用は控えるべき
🛡 売掛金の回収リスクをカバーする保険とは?
▶ 保証ファクタリング(売掛金保証付き)
- 万が一、売掛先が支払不能になった場合に備えて、債権を保険でカバーする仕組み
- 通常のファクタリングより手数料は上がるが、リスクヘッジには効果的
✅ まとめ|倒産・未回収リスクに備えて「契約内容の把握」が重要
- ファクタリング契約前に「償還請求権の有無」を必ず確認すること
- 基本は「ノンリコース契約」だが、一部では返済義務がある場合もあるため、契約書の条文を精査する
- 倒産・未回収の事態に備え、保証付きファクタリングや複数業者の比較も検討すべき