
ファクタリングは、企業が保有する売掛債権を譲渡して資金調達を行う手法であり、従来の銀行融資とは異なる会計処理が求められます。本記事では、ファクタリング利用時の具体的な仕訳方法や勘定科目について解説します。
売掛金の発生から入金までの基本的な仕訳:
- 売掛金の発生時:
- 借方: 売掛金 100万円
- 貸方: 売上 100万円
- 売掛金の回収時:
- 借方: 普通預金 100万円
- 貸方: 売掛金 100万円
2社間ファクタリング利用時の仕訳:
- 売掛金発生時:
- 借方: 売掛金 100万円
- 貸方: 売上 100万円
- ファクタリング契約締結時:
- 借方: 未収金 100万円
- 貸方: 売掛金 100万円
- ファクタリング会社からの入金時(手数料10万円控除):
- 借方: 普通預金 90万円
- 貸方: 未収金 100万円
- 借方: 売掛債権売却損 10万円
3社間ファクタリング利用時の仕訳:
- ファクタリング契約締結時:
- 借方: 未収金 100万円
- 貸方: 売掛金 100万円
- ファクタリング会社からの入金時(手数料10万円控除):
- 借方: 普通預金 90万円
- 貸方: 未収金 100万円
- 借方: 売掛債権売却損 10万円
保証ファクタリング利用時の仕訳:
- 保証料支払い時(保証料1万円の場合):
- 借方: 支払手数料 1万円
- 貸方: 普通預金 1万円
- 売掛金が回収不能となり、保証により補填された場合:
- 貸倒損失計上時:
- 借方: 貸倒損失 100万円
- 貸方: 売掛金 100万円
- 保証による補填入金時:
- 借方: 普通預金 100万円
- 貸方: 雑収入 100万円
- 貸倒損失計上時:
仕訳時の注意点:
- 手数料の処理: ファクタリング手数料は「売掛債権売却損」として計上します。
- 消費税の非課税: ファクタリング取引は消費税の課税対象外です。
- 決算期をまたぐ入金: 決算期をまたいで入金がある場合、適切な期間損益計算が必要です。
ファクタリングの会計処理は複雑であり、適切な仕訳を行うことで財務状況を正確に反映できます。詳細な事例や仕訳方法については、専門家に相談することをおすすめします。